相 続

相続によって争いが生じるのは、多額の遺産がある場合というイメージがあるかも知れません。
しかし、近年の司法統計によると、遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く)のうち、遺産の価額が1,000万円以下の割合は、約3分の1であり、5000万円以下の場合まで広げると、その割合は、実に約4分の3を占めます。

つまり、相続によって生じる争いの多くは、遺産の価額が5,000万円以下の場合であり、これは、多くの人にとって身近な問題であると言えます。
そして、一度、争いが生じれば、感情的な対立が含まれていることもあるため、紛争が長期化し、解決が困難な事態を招くこともあります。

紛争を早期に解決するためには、
できるだけ早く弁護士にご相談ください。

相続分野の主な業務内容

当法律事務所では、主に以下の業務内容について、申立てや請求等を行なっています。

01

遺産分割

被相続人の死亡によって、相続が開始されます。
そして、被相続人がのこした遺産の分割について相続人の間で話合い(遺産分割協議)が行われますが、うまくいかない場合には、家庭裁判所の遺産分割の調停または審判の手続へと移っていきます。

調停手続を利用する場合は、家庭裁判所に遺産分割調停事件として申立てを行います。この調停は、相続人のうちの1人もしくは何人かが他の相続人全員を相手方として申し立てるものですが、この手続では、当事者双方から事情を聴いたり、必要に応じて資料等を提出してもらったり、遺産について鑑定を行うなどして事情をよく把握したうえで、各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し、解決案を提示したり、解決のために必要な助言をし、合意を目指し話合いが進められます。

なお、話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され、裁判官が、遺産に属する物又は権利の種類及び性質その他一切の事情を考慮して、審判をすることになります。

02

遺留分侵害額の請求

遺留分とは、一定の相続人(遺留分権利者)について、被相続人(亡くなった方)の財産から法律上取得することが保障されている最低限の取り分のことです。
遺留分は、被相続人の生前の贈与等によっても奪われることはありません。

被相続人の財産の贈与等により、遺留分に相当する財産を受け取ることができなかった場合、遺留分権利者は、贈与等を受けた者に対し、遺留分を侵害された旨を主張し、その侵害額に相当する金銭の支払を請求することできます。
これが遺留分侵害額の請求です。

03

不当利得返還請求、不法行為に基づく損害賠償請求

相続財産となる預金を相続開始の前後に、一部の相続人が無断で口座から引き出すという事例は少なくありません。

相続開始前に、預金の引き出しが被相続人(亡くなった方)に無断で行われた場合、被相続人は、預金を引き出した者に対して不当利得返還請求または不法行為による損害賠償請求をすることができます。そして、相続が開始された場合、各相続人は、これらの請求権を法定相続分に従って相続します。

相続開始後に、預金の引き出しが行われた場合、預金は法定相続人が相続分に応じて相続します。したがって、その相続分を超えて利得した分について、他の法定相続人は、預金を引き出した者に対して不当利得返還請求または不法行為による損害賠償請求をすることができます。

04

相続放棄と限定承認

相続放棄とは、相続人が被相続人(亡くなった方)の権利や義務を一切受け継がないことです。被相続人が、借金等で債務超過の状態にある場合には、相続人が不利益を回避することができる有効な方法です。

限定承認とは、被相続人の債務がどれくらいあるか不明で、財産が残る可能性もある場合等に、相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐことです。被相続人の債務がどの程度あるか不明な場合や、どうしても残したい自宅等の財産がある場合等に用いられる方法です。

相続人が、相続放棄または限定承認をするためには、家庭裁判所にその旨の申述を自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に行う必要があります。

05

遺言執行

遺言の執行とは、遺言の内容を実現するために必要な行為を行うことをいい、これを行うために特に選任される者が遺言執行者です。

遺言執行者は、遺言により指定される場合と利害関係人(相続人、遺言者の債権者、遺贈を受けた者等)の申立てに基づき、家庭裁判所により選任される場合があります。

06

遺言書の検認

遺言書の保管者またはこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求する必要があります。

検認とは、相続人に対して、遺言が存在すること及びその内容を知らせる手続です。「検認」を行うことで、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容が明確になり、遺言書の偽造・変造を防ぐことができます。 ここで注意すべきは、「検認」が遺言の有効・無効を判断する手続ではないことです。したがって、相続人は、「検認」が行われた場合であっても、遺言を無効とする事由があることを主張することができます。

なお、公正証書による遺言のほか、法務局において保管されている自筆証書遺言に関して交付される「遺言書情報証明書」については、検認の必要はありません。

07

遺言の無効確認

遺言書を作成する際、遺言者には、遺言の内容および自分が死亡した後に当該遺言に基づきどのような結果生じるかを理解する能力(遺言能力)が必要であり、遺言作成時に遺言者に遺言能力がなければ、遺言書は無効となります。

遺言者が、遺言書を作成する際、認知症等により遺言能力を欠くと考えられる場合は、遺言が無効であることを裁判所に確認してもらうために遺言無効確認請求訴訟を提起することができます。

08

特別代理人の選任

例えば、父親が亡くなった場合に、共同相続人である母親と未成年の子が行う遺産分割協議等は、未成年者とその法定代理人である母親との間で利害関係が衝突する利益相反行為となります。

このような利益相反行為を行うためには、親権者または利害関係人が、子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に申立てる必要があります。(同一の親権に服する子の間の利益相反行為や、未成年後見人と未成年者の間の利益相反行為についても同様です。)

相続分野における弁護士と他士業の違い

相続分野における問題の相談先としては、弁護士をはじめ、司法書士、行政書士、税理士と複数の選択肢があると思います。

遺産分割協議等について争いがなく、相続登記を行うことが目的の場合には司法書士に、相続税の申告が目的の場合には税理士にご相談されることが望ましいと思います。

しかし、遺産分割協議等において争いが生じている場合には、弁護士にご相談ください。なぜなら、弁護士だけが依頼者の代理人として、他の相続人と交渉を行ったり、遺産分割調停や裁判に出席したりすることができるからです。

そして、当法律事務所では、事案ごとに必要であれば、税理士や司法書士をご紹介しておりますので、相続登記や相続税の申告の点についてもご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。

  弁護士 司法書士 行政書士 税理士
相続財産の調査
相続人の調査
遺言書の検認    
相続放棄    
遺留分協議書の作成
遺留分協議書において代理人として交渉      
遺産分調停審判    
相続登記      
相続税の申告      

相続手続の流れ

被相続人の死亡

被相続人の死亡により相続が開始されます。

遺言書の有無の確認

公正証書遺言及び遺言書情報証明書以外の遺言書については、家庭裁判所に提出して、検認を受ける必要があります。

相続人の調査、確定

戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本等)を取り寄せて、相続人を確定します。

相続財産の調査

被相続人の不動産、預貯金、有価証券等のプラスの財産およびマイナスの財産である債務を調査します。

相続放棄・限定承認

相続放棄や限定承認の申述については、原則として、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内にその手続をする必要があり、手続をしない場合や一定の行為をした場合には、単純承認をしたものとみなされます。

  • 単純承認…相続人が被相続人の権利や義務の全部を受け継ぐ。
  • 相続放棄…相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない。
  • 限定承認…相続人が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐ。

相続財産の確定

相続財産の範囲や評価を確定します。

遺産分割協議

遺産分割協議は、相続人全員が参加することが必要です。そして、遺産分割協議がまとまれば、協議の内容にそって遺産分割協議書を作成し、相続人全員が押印します。

遺産分割協議の実行

遺産分割協議がまとまった場合には、相続財産の名義変更手続等を行います。

和田節代法律事務所からのお約束

01
しっかりとお話を伺い、方針を決定します。
ご相談内容を詳細に把握し、最善の解決方法をご提案できるように、お話をしっかりと伺います。 どんなことでも、ありのままにお話しください。
02
事件の経過は
必ずご報告します。
お客様が不安にならないように、事件の経過は、必ずご報告いたします。 そして、その経過を踏まえたうえで、今後の方針もご相談の上で決定いたします。
03
費用について
明確にご説明します。
弁護士費用については、受任前に明確にご説明いたします。 ご不明な点があれば、お気軽にお尋ねください。

法律問題の専門家として全力で
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